11/3(金)あっぺとっぺ・・「しつけ」?未来に向かって
昨日の続きで
しつけない 「しつけ」
お茶の水女子大学名誉教授 内田 伸子氏の分類で、 「強制型しつけ」と「共有型しつけ」について説明
(以下 簡略して抜粋//////////////昨日のWebページより)
「強制型しつけ」は、 子どもに考える余地を与えず、すぐに答えを教えてしまう、 子どもに対して指示的で、命令もしくは禁止するようなかかわり。
それに対して「共有型しつけ」は、 子どもをひとりの人格を持つ存在として尊重しながら、 子どもとのふれあいや会話を大事にしつつ、 楽しい経験を子どもと共有しようとするかかわり。
そして、「強制型しつけ」よりも、 「共有型しつけ」を受けた子の方が、 読み・書き・語彙すべてにおいて得点が高いという結果が。 つまり、しつけのあり方は、その後の学力にも影響があると。
「共有型のしつけ」では、 「こうしなさい」と叱ったり、強制したりしなくても、 子どもの気持ちに寄り添い、尊重し、ふれあいや会話を大事にしつつ、 子ども自身が気持ちを切り替えることにつなげていく。
つまり、 型を大人が厳しく教え込まなければならないというのが「しつけ」 と思っていた方にには、 これは、しつけていないことになるが、 大人はほったらかしにしたわけでもなく 子どもの気持ちに寄り添ってかかわってた。
その結果、 子ども自身が自分で気持ちをコントロールすることにつながったので、 「しつけ」でもある。 これが、「共有型のしつけ」であり、
「しつけない」しつけでもある。
非認知能力の重要性
さて、先の事例のように、 自分の気持ちを自分でコントロールできることは、 今、とても注目されている「非認知能力」のひとつ。
非認知能力とは、 読み・書き・計算などの認知的能力ではないもので、 「社会情動的スキル」とも言われている。 OECD(経済協力開発機構)の定義では、 「目標の達成(忍耐力、自己抑制、目標への情熱)」 「他者との協働(社交性、敬意、思いやり)」 「情動の制御(自尊心、楽観性、自信)」。
私たちは、目に見えやすい認知的な能力に着目しがちだが、 実は、目に見えない心や社会性などの「非認知能力」が 人生を幸せに生きていくうえで重要であることが、 さまざまな研究でも明らかにされている。
そして、 あきらめずにやりぬくことや、 他者とのコミュニケーション、 自尊心、 気持ちのコントロールなども「非認知能力」 このような目には見えにくい心や社会性の育ちが、 乳幼児期からとても重要であると言われている。
ノーベル経済学賞を受賞した ジェームズ・J・ヘックマン教授らの研究などでは、 非認知能力の育ちが、 大人になっての経済状態や幸福・適応状態にまで 影響を与える可能性があることが示唆されていて、 その重要性が説かれている。
ただし、 「非認知能力」という概念自体はとてもあいまいなもので、 最近では、大阪府教育委員会のパンフレットなどに、 「未来に向かう力」として説明されていて、 そこには「安全基地」(子どもの心のよりどころ、安心できる人)を基盤にしており、 ①「目標に向かってがんばる力」(忍耐力、自制心、意欲など)、 ②「人と関わる力」(人の気持ちを感じる力、共感、思いやりなど)、 ③「気持ちをコントロールする力」(自尊心、自信、ルールを守るなど)の側面があると、 整理して説明されている。
気持ちをコントロールする「実行機能」
今あげた3つの「未来に向かう力」の中で、 「気持ちをコントロールする力」は 「実行機能」とも呼ばれ、とても重要だと考えられている。
京都大学の森口佑介教授は 『自分をコントロールする力 非認知スキルの心理学』(講談社現代新書、2019年。 詳しくはこちらから:https://gendai.ismedia.jp/list/books/gendai-shinsho/9784065179192)で、
「実行機能」とは、 ①「目標を達成するために、自分の行いを抑えたり、切り替えたりする力のこと」であるとし、 ②「私たちの社会生活に欠かせないもの」と定義している。
さらに、実行機能の発達を促すにはさまざまな要因がある中で、 「支援的な子育て」にはよい影響があり、 「極端な管理的な子育て」は悪い影響があると述べている。
「 支援的な子育て」とは、
例えば、 子どもが自分でボタンをはずそうとしている時にヒントを与えるなど、 子ども自身が自分で解決することを尊重し、 最低限の支援をするかかわり方のこと。
それに対して、 「管理的な子育て」は 大人が先回りしてやってしまうことや、 罰を与えることなどを指す。
「支援的な子育て」に効果があるのは、 子どもが自分自身をコントロールする力が育まれるからだと言う。
ただし、 親のある程度の管理も必要であることを森口教授は明らかにしている。 例えば、家庭でのルール。
テレビやゲームをする時間をしっかり決めるなどのルール、 寝る時間、起きる時間などの生活の習慣やリズムなども。
家庭での暮らしにゆるやかなルールがあることで、 子どもはどうしたらよいかという見通しが立ち、 安心感にもつながる。 子どもが自分の気持ちをコントロールできるようにするには、 そのための支援的なかかわりと、ゆるやかなルールなどが必要ということ。
そして、それこそが、「しつけないしつけ」のコンセプトにもなっていると。
そして最後に 以下のようにまとめている
子育ては「魔法の言葉かけ」をすれば大丈夫というわけにはいきません。
親ができることは、
その子の「いま」を
ちょっとでも幸せが実感できるものにするように、かかわることです。
子どもと親の両者のハピネスが、
子どもの自己肯定感を自然と高めることになり、
よい影響を与えます。
これが「しつけない子育て」です。
今日も多くの乳幼児親子が 児童館に
そしてにぎやかな笑声と きらきら輝く笑顔を 振りまいて
「今」を精いっぱい
「未来」に向かって精いっぱい
ママもパパも 児童館職員も 精いっぱい
子どもの未来に恋をして 負けずに 自分の未来にも大いに恋を